母のこと
母が脳梗塞で倒れて、入院したのが約3年半ほど前。
それから母を引き取ることになり、同じ屋根の下での生活が始まった。
ま~、ネガティブシンキングの人で、楽しいことはひとつも言わなかった。
「なんでこないなったんやろ~」 とか
「歩かれへん~」 とか
「もう、なんもでけへん~」 とか
「私のおるところはない~」 とか
「みんなに迷惑かけてるだけや~」 とか
晴れたら 「こんなにも晴れてる~」 とか
雨が降ったら 「いつまで降るんやろ~」 とか
もういいかげんにしてくれ~と、思っていた。
私はこんなにもネガティブな人に育てられたんや~と思ったら、すこし悲しかった。
母親を選んで生まれて来ると言われているのに、こんなにもネガティブなことしか
言わない母を私は選らんだんか~と思った。なんでやろ。
昨日のことです。
お店でお客さんに、つい母のことをぐちった。
「ほんまにネガティブな人なんです~」 と
すると
「けど、言葉はネガティブやけど、行動はネガティブとちがうんとちがう?」
「えっ?」
すると母の本質が見えてきた。
そうや、口では歩かれへん、あるかれへん と言いながらも毎朝散歩に行ってるし
なんも~できへん、と言いながら 庭の草も時々引いてくれてるし、
なんでこないなったんやろ~と言いながらも、我家にな~んも持たずにやってきて
デイサービスにも機嫌よく行ってくれてるし、留守番はしてくれてるし
生きることへの意欲は人並み以上あるし
そうか、この人の本質はポシティブなんや。 そう思ったら
なんだか、憑き物が落ちた気がした。