新しい蔵

時代は変わり、蔵は古くなったんで建替えられることになった

建物はあたらしくなったけんど

見えない道だけは残った。

五平さんと同じようなエネルギーを持った嫁さまが選ばれてやってきたわけやから

嫁さまは、やっぱり蔵にいて

嫁さまに会いにいろんな人がやってくるようになった。

見えない道が導いているのか。

嫁さまのエネルギーにも惹きつけられて人はやってくる。

 

五平さんはひょっとしたら、見守りながらこう言っているかもしれない。

「なかなかいい嫁が来てくれたもんじゃ、なかなかがんばっておるようじゃ」

 

ここに来るとみんななぜかほっとする。

で、元気になって帰っていく。

軽くなって帰っていく。

「嫁の由美子はえら~いもんじゃ」

「しかし、無理だけはせんといてもらわな」

ゆみこさんち 001 (三木市口吉川町のサロン)

五平物語 お し ま い