日記

 

ここは東山寺、淡路島

茂平はおっとうが死んで一ヶ月もたつと

きっとおとうはもう極楽へ旅立っただろうと安心して仕事に精を出していたが

ある日のこと

仕事で疲れて寝ていると、夢におっとうが出てきた。

「茂平よ、茂平、起きてくれ~、わしゃな~、極楽へ行こうと歩いておったんじゃが

途中で餓鬼どもに追いかけられて、もう恐くて恐くて、帰ってきてしまったんじゃ・・」

「お、おっとう、ど、どうしたらいいんじゃ?」

「おにぎりをこしらえておくれ、そしておにぎりを餓鬼どもが食べている間にわしは、そっと極楽へ行きたいんじゃ。 東山寺はな、魔界との境なんじゃ、だから東山寺のてっぺんからおにぎりを転がしておくれ」

というわけで
淡路島では


人がなくなって35日になると

東山寺のてっぺんからおにぎりをころがす、それも後ろ向きに

風習となったんだそうな。 これは淡路島だけの風習だそうで

私も昨日はおにぎりを転がしてきたのです。

おにぎりは本当にいきよいよくコロコロと転がっていき

餓鬼が食べてる間に、母は極楽へと旅立ったことでしょう。